健康的に生きるために無くてはならない酵素。
その際に「ただ酵素を含む食品を摂れば良い。」と考えがちですが、実はこれは大きな間違いです。
酵素には「熱に弱い。」という特徴があり、正しい摂り方をしなければ、無駄にしてしまう恐れがあります。そこで今回は酵素の性質と効率の良い摂り方についてご紹介しましょう。
知っておきたい酵素の特徴
体の働きに必要であることは知っていても、「酵素にはどういった特徴があるのか。」と疑問に思う方もいらっしゃるはずです。
酵素というと「消化を助けるだけ。」と勘違いしがちです。
しかし、酵素は呼吸をする、運動するといった生き物の生命活動全てに関わっています。
熱に弱いと言われる酵素ですが、ここで今一度酵素についての基本知識を押さえておきましょう。
酵素の種類は大きく3つ
近頃の研究結果により、人が酵素を体内で作れる能力は遺伝子によって決まっていることが判明しました。
この人が一生で生成する酵素を「潜在酵素」と言います。
この酵素は「消化酵素」と「代謝酵素」に分けられ、「食物酵素」と呼ばれるものを含めて全部で3種類の酵素が存在します。唯一、食べ物からでのみ補給することが出来るのが食物酵素です。
食物酵素が不足すると、すべて自分で酵素を作り出さなければなりません。
しかし、年を取ると、体が作り出す酵素の量はだんだん減っていき、食事量に追い付かなくなってしまいます。
すると、消化が不十分のまま体の中に入ってしまうので、血液がドロドロになってしまうのです。
酵素は栄養素と相乗効果を発揮
今日、様々な栄養サプリメントが取り扱われています。
しかし、「飲んでもあまり変化がない。」といった経験のある方も多いのではないでしょうか。
ただ少しの量の栄養を摂っても効果はなかなか出ません。
実はその原因を解消するには、酵素が関係しているのです。いくら栄養素を補給しても酵素がなければ十分な効果を発揮しません。
特にビタミンやミネラルは酵素の働きを補助する役割があります。栄養素と酵素のどちらかだけでなく、両方を意識して摂るようにしましょう。
各酵素の役割は1つのみ
酵素の構造は大きくミネラルで構成される部分とたんぱく質で構成される部分に分けられます。
それぞれ多くの形や大きさ、種類があり、これらの組み合わせ方によって酵素が変わります。現在では約3000種類の酵素が発見されています。
しかしこの3000種類の酵素は全て、1つの仕事しか出来ません。例えば、アミラーゼと呼ばれる酵素はデンプンを分解する役割だけを担います。
酵素に熱を加えたらどうなる?
「酵素は熱に弱い。」と聞いたことがある方は多いでしょう。
ここではなぜ弱いのか。そして、酵素を摂る際の注意点についてご紹介します。
熱によって起こる変性とは
酵素はたんぱく質を含みます。同じたんぱく質の卵を思い浮かべて下さい。生の状態では白身の部分は透明で柔らかいですが、加熱すると白く、固くなります。
実は酵素も同様に加熱するとたんぱく質の構造が変化し、その働きを失ってしまうのです。これを変性と呼びます。
調理の際に気を付けること
ほとんどの酵素は50℃程までの熱だけしか耐えることが出来ません。
また、一度働きを失うともう二度と元に戻すことも不可能です。
元々は酵素を含んでいる食品でも、加熱調理をしてしまえば、酵素の働きは無くなってしまうのです。
よって、「生の状態で摂取しなければならないの?」と言った疑問を持ってしまいますが、実はそういうわけではありません。
次に適切な酵素の摂取方法についてご紹介します。
正しい酵素の摂り方
酵素の特徴的な性質についてはご理解していただけたでしょうか。
熱に弱い酵素ですが、上手に食品を組み合わせるだけで効率よく酵素を作ることが出来ます。
それでは具体的に「酵素を多く含む食品にはどんなものがあるか。」「適切な調理の仕方は何か。」についてご説明しましょう。
酵素を多く含む食べ物
基本的に生の食べ物全てに含まれています。
生の肉、魚、野菜、果物の他、発酵食品にも豊富です。味噌、納豆、ぬか漬けなどはその代表ですが、ヨーグルトやキムチも発酵食品です。野菜の中でも、大根はそのまま食べるより、すりおろして食べると良いとされています。大根の細胞が崩れ、中にある酵素が外に出てくるためです。
特に酵素が多いとされる食べ物・・・大根、トマト、キャベツ、キウイ、リンゴなど
効果的な食事の仕方
消化酵素と代謝酵素の両方を増やすことは出来ません。消化酵素が増えすぎると代謝酵素を減らしてしまうのです。
しかし、食物酵素を含む食品を摂ることで消化を助け、消化酵素の負担を減らし、代謝酵素を増やすことが出来ます。よって加熱された食品を摂る際、その消化を助けるには食物酵素を含む食べ物を一緒に食べる方法が最も有効です。
塩サバの消化で消化酵素が5必要です。よってこの人は代謝酵素を5しか作ることが出来ません。
大根おろしに含まれる食物酵素を2とします。すると塩サバの消化の際に必要な5のうち2は食物酵素が消化を助けるため、必要な消化酵素を3に減らすことが出来ます。すると代謝酵素に回せる分は7に増やすこと可能になるのです。
先ほどの例で仮に、大根おろしを食べず、塩サバを2匹に増やすとどうなるでしょうか。
塩サバ2匹分を消化するのに必要な酵素は10に増え、一度に作れる酵素量である10のすべて消化酵素に使わなければなりません。
これでは代謝酵素を作ることが出来なくなります。
代謝酵素が不足すると、病気がちになったり、一度風邪をひくと治りづらかったりと体に様々な支障を引き起こします。
体調を崩したときは・・・
風邪をひくと、食欲が下がるのはなぜでしょうか。それは体内で、余計な消化酵素は生成せず、代謝酵素に出来るだけ増やし、免疫力を上げようとするためです。
風邪をひいた時は、脂っぽいものは食べず、消化しやすいお粥などを食べるようにしましょう。
酵素は熱に弱い?!効果的な酵素の摂取方法とポイント・・・
いかがでしたでしょうか。熱に弱いとされる酵素の性質と効率の良い摂り方について、ご理解いただけたかと思います。
自分では気を付けているつもりでも、実は全く酵素を摂れていなかった可能性もあるようです。
酵素が不足すると血液が汚れたり、流れが悪くなったりする原因にもなります。酵素の摂取では、食べ過ぎはもちろん、加熱された料理ばかりとるのではなく、素材そのままの食材と上手に組み合わせることがコツです。
体の調子と酵素の性質を踏まえた、適切な食事メニューを心がけるようにしましょう。
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